小規模な会社や団体では、経理担当者がおらず、社長や理事長が自ら経理をするケースがあります。
そして、少し事業が軌道にのるようになると、経理担当者を一人雇う余裕が出てきて、その後何十年も経理担当者が一人で担うケースが出てきます。
実は、最初は一人の良さがありますが、何十年もたった一人で経理を背負うには大きなリスクがでてきます。
それを解消するのに、経営者が気をつける点を洗い出してみました。
公益法人でよく問題になる現金着服が起こるわけ
公益法人関連のセミナーを受けていると、よく話にでるのが
「経理担当者による現金着服問題」です。
役員に対しても注意喚起がよくされる話で、経理管理を担当者任せにせず、内部統制を構築しましょうとアナウンスされています。
実は、公益法人の役員になる方々は、実務に携わらず、名前だけの役員というケースが非常に多いのです。
このような現場では、経理担当者一人が団体の資金管理の責任を負うようになり、負担に感じて辞めるケースもよくあったりします。
私は、バックオフィスのDX化を推奨していますが、それは、組織の内部統制を構築するためでもあります。
アナログな内部統制というと、上長のハンコを押して上にあげていくあの「お役所仕事」を連想しますが、
デジタル化にすることで、お役所仕事から組織内での情報共有という文化に変えることができ、効果のある統制をとれるようになれるのです。
このあたりの変化は、なかなか伝えづらいのですが、立場の違う者同士が、ひとつのことをいろんな目で見る大切さがわかれば、このような問題は起きにくくなるはずです。
ひとり経理担当者のスキルは、いくらでも悪用できる
もし、その問題が起きていないとなれば、それは、今頑張っている経理担当者のおかげでもあります。
倫理観、経理処理の技術、組織に向けた広い視野。
これは、経理担当者でしか得られない能力で、これが高ければ高いほど、その団体の経理能力があると評価されます。
しかし、これは一歩違えば悪用できるスキルとも言えます。
組織の目線が向かないことがわかると、それまで評価されなかったことに対して恨みの感情を持てば、いとも簡単に現金着服なんぞできてしまいます。
団体の役員からみたら、経理担当者のせいにできますが、そもそも、それを許す空気を作ってきたのは、経理担当者を取り巻く人と環境のせいでもあるのです。
実は、裏帳簿を作れる経理担当者は、高度な経理能力を持っています。
基本、経理は不正を防ぐための約束事があります。
これが内部統制でもあります。しかし、一人の有能な経理担当者がいれば、内部統制を取る必要もなく、経理独自のルールを築き上げるようになります。
ここで、不正経理ができるトンネルを秘密裏に作り、着服していくようになるのです。
経理担当者に不正させないためのしくみづくり
まず、一人の人間にずっと経理を任せないことです。
事業が大きくなって、規模が大きくなっても、経理担当者を一人にしたままのバックオフィスは、リスクが高すぎます。
バックオフィスの体制を人を増やすか、経理機能を現場に下ろすようにします。
かつては、本部であるバックオフィスに人員を増やし、チーム内で互いに牽制しあう仕組みを作るようにしていました。
しかし、今AI時代です。DX化も進めていく時代です。
ここは、一人の人間に頼るのではなく、現場一人ひとりが負担のない経理の仕組みを作れるようになりました。
デジタル化すれば、チェックしやすくなります。
かつて経理部門である一人の事務員は、現場の経理チェック者として役割を担うようにしましょう。
そして、経理担当者自身も、自分だけに業務を集中させず、全体を見守る業務を受け入れるようになってほしいです。
そのためには、透明性、見える化を支えるデジタル化が欠かせません。
チェックも、経理担当者だけに押し付けないように。
役員の方の目線で、指摘出しすれば、「お、社長(理事)も見てくれているぞ」と、現場は不思議と安心するものです。
一人に負荷をかけず、孤独にさせず。
これが、不正経理を防ぐ唯一の肝です。
=編集後記=
【昨日のできごと】
1日、在宅の業務。目がショボショボしてきました。
愛用の目薬は、「ソフトサンティア」
モニターを凝視することで瞬きが少なく、ドライアイになります。
ポモドーロ・テクニックの休憩時に目薬をさすようにしています。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
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