※資金を投入するとき、どんな癖がありますか
新規事業に投資したり、固定資産の購入を決断したり、思い切ってホームページの作り変えを決断したり、経営者は、絶えずお金の使い方に苦慮しています。
そんなとき、自分はどのような傾向があるのかを、考えたことはありますか。
それを体系的にまとめたものがあるのです。
マネースプリクト理論というものです。
親から受け継いだ、お金に対するスタンスを分類したものです。
経費を計画的に使えるのか、それとも、お金に無頓着なのか、お金があるとあるだけ支出してしまうのか。それとも、とてもケチで従業員から嫌がれているのか。
さまざまです。
このマネースプリクト理論により、経営者としてのお金の使い方にどんな癖があるのか、知っておくといいかもしれません。
なぜなら、無自覚で事業資金を使っていくのか、使うときに意識して冷静な目で検討することができるのか、その後の会社の資金繰りにも大きく影響が出てくるからです。
ここでは、お金に対する癖とは、どんなものがあるのかを確認してみようと思います。
事業資金の使い方にパターンがある
マネースプリクトには、4つのパターンに分類されます。
「金銭忌避」「金銭崇拝」「金銭ステータス」「金銭警戒」です。
「金銭忌避」は、お金をきたないものと考え、人は質素に暮らしてナンボだと考えるタイプです。お金持ちに対して嫌悪感を持ったりします。経営者がこのタイプだと、会社を大きくしようとせず、ほそぼそと続けているケースが見受けられます。
「金銭崇拝」は、お金さえあれば自由になれる、もっと幸せになれると考えるタイプです。潤沢に資金があれば、あんなことやこんな事業も展開できるのにと、資金より事業先行で考えるケースが多いです。
「金銭ステータス」は、お金をたくさん持っている人が地位が高いと考えるタイプです。役員報酬をたくさんもらっている役員が一番えらいと考えたり、同業他社で自社より年商が低いと油断しがちになったりします。
「金銭警戒」は、お金を使うことに恐れるタイプです。ひたすら貯金をするだけで、お金を無駄に使っていけないと考えます。経営者の場合、経費を極限まで節約したり、大きな買い物(固定資産など)を購入する際、非常に用心深くなったりします。
マネースプリクト診断で自分の癖を知る
自分がどのタイプなのか、Googleで検索すればいくつかのサイトで診断テストがのっているので、試してみるとおもしろいです。
ちなみに、私も自分用にチェック表を作成してみました。
実は、このマネースプリクトとはタイプが限定されるのではなく、4つのタイプの割合がどうなっているのか、をチェックしていきます。
だれしも、4つのタイプであって、人によってどれが強く出ているのか傾向を知るようになっています。
つまり、ここでチェックしたマネースプリクトは、永久に同じではなく、環境や状況によって、タイプが変わるのです。
ということは、診断テストでチェックしたとき、タイプがアンバランスであることがわかれば、それを整えるよう上書きできるので、自分は経営者としての適正がないと落ち込む必要は全然ありません。
経営に適したマネースプリクト
もし、資金繰りにいつも悩む場合、もしかしたら、マネースプリクトが「金銭崇拝」や「金銭ステータス」が強くでているかもしれません。そうであれば、「金銭警戒」の度合いを強くすれば、マネースプリクトのバランスが整って、落ち着いた資金運用ができるようになります。
経営者は、絶えず内的要因と外的要因に影響を受け、なかなか経営者自身に目をむくことはありません。
しかし、自分のお金に対する考え方の癖を知ることで、周囲に振り回されないようになり、より正しい答えを導き出すことができるのではと思っています。
ちょっと判断を間違えたかも。
と思ったその時、自分の考え方の癖に、目を向けていただきたいです。