公益法人によく見られる、くすぶった話。
だけど、どの企業にもよく見られる症状。
それは、「足がぬかるみにはまったかのような、身動きできない病」。
NPO法人をはじめとした、公益性事業をしている組織によくみられる現象で、公益法人に限らず、どの組織にもみられる状態です。
そんな中での業務改善に挑む話です。
ツールさえ導入すれば、即解決!
そうは問屋が卸しません。
公益法人特有の「回らなさ」は、ITではなく運用の前提で起きる
まず、公益法人とは。
公益性のある事業を運営している法人で、法人税の優遇を一部受けている法人のことを言います。
公益性は、市場原理で動いているわけではない(全く影響がないとはいえないが)ので、お金のために変化を強いられることは、ほぼありません。
なので、一般企業に求められる競争原理からかけ離れたところで、事業を運営することができる、夢のような法人格なのです。
でも、大きな重石を抱える側面もあります。
それは、変わってはいけないということ。
公益性のある事業とは、事業内容を継続させる必要があります。
儲からないから、やーめたという事業変更が難しいのです。
そんな時は、一旦法人を畳んで、仕切り直すことになります。
そういう意味で、公益法人で働くとは、一般企業とは一味違う文化の中で継続していくことを指すのです。
つまり、変化をしない想定で作られている、ということ。
ここに、公益法人での業務改革の難しさがあります。
運用やマニュアルが古いままになって、それが当たり前になっている。
それが、公益法人の多くが抱える闇とも言える問題です。
特に、NPO法人。
小さな規模だと、十分な人件費を充当することが難しいです。
となると、ボランティアとして、バックオフィスの運営をする「一人事務局」のところが多く、業務改善する意義がますます薄れていくのは、当然のことなのです。
そんな変化しない環境での業務改善は、なかなか渋みのある仕事。
変わる必要がないなかでの業務改善には、説得材料が欠かせません。
どうやっていけば、時代に乗り遅れることがないのかを、分解してみます。
公益法人が抱えがちな3つの問題
まずは、私の専門分野である「経理」からの目線で、考えていきます。
経理業務フローで、改善するために、次の視点から「変わらなくて燻っている場所」を特定していきます。
- 誰がどこで詰まっているのか
- 何が属人化しているのか
- どこで二重入力が起きているのか
- 何が「確認チェックコスト」として積み上がっているのか
主に、業務分担から、流れの詰まりを見つけていきます。
まるで、エステのリンパマッサージで詰まりをほぐす感じです。
すると、次の段階で、3つの問題が浮かび上がってきます。
このブログでは、小規模のNPO法人でのNotion導入で起きた事例をもとに、解説していきます。
ITリテラシーのばらつきが生む価値観の分断
公益法人では、さまざまなスキルを持った人材が集まる傾向があります。
その中で、NPO法人のような規模の小さい法人では、ITに強い人と、これから慣れていく人が同じ組織内に混在しやすいのです。
ここで起きるのは「できる人が全部やる」構造です。
最初は善意で回っていきます。
でも、使う側が追いつかないと、運用は二重化します。
紙とデータが並走し、チャットとメールと口頭が混ざり、最新版がどれか分からなくなる。
結果として、情報は散り、確認コストだけが増えます。
ここは研修より先に、役割の切り分けをやるべき。
- ITリテラシーが高い人:設計・整備・運用ガイド作成・サポート窓口
- これから高める人:入力・日々の運用・質問の型化
そして、入力側が安心して動けるように、最小入力で回る型を用意します。
入力ハードルが高いと、結局“書かれない”。仕組みは死にます。
権限設計とDB構造変更による情報基盤崩壊リスク
誰かが善意でプロパティ名を変える。
不要に見える項目を消す。
ビューを作り替える。
その瞬間、テンプレも運用ルールも崩れる。
NPOは兼任が多く、「変更の影響範囲」を把握しにくいから、余計に危ないのです。
必要なのはルールの山ではなく、最低限の合意。
- 誰が「構造」を変えてよいか(管理者の定義)
- 変更したいときの「申請の流れ」(口頭ではなく残る形)
- 編集できる範囲と、閲覧だけの範囲(役割別の権限)
“縛る”ためではなく、“継続できる”ためのルールです。
小さい組織なら、構築する人は一人にするといいでしょう。
それが属人化させない工夫が別途必要となりますが、まずは基礎部分は一人の頭で構築すると、混乱防止と改善スピードを維持することができます。
ナレッジ共有の文化の薄さからくる情報格差と属人化
実は、核心はここなのです。
忙しいとき、人は「今すぐ必要なもの」しか残せません。
その結果、組織内に「知っている人」と「知らない人」の格差が生まれます。
相談が特定の人に集中し、その人が抜けた瞬間に回らなくなる。
属人化は能力の問題ではなく、情報の流れの設計不在です。
精神論じゃ変わらない。
必要なのは、書ける型。
たとえば議事録も「全文をきれいに残す」ではなく、これだけ拾える形に統一します。
- 決定事項
- ToDo(担当・期限・ステータス)
- 次回日程
これだけで回り始めます。
Notionの場合、ページテンプレートを用意するだけで、誰が作成しても様式美が統一されて、問題を解消することができます。
そして、イレギュラーなことが発生しても、テンプレートがあっても自由に項目を付け足すことができます。
このカスタマイズ方法も、プロパティではなく、ページ部分で展開するようルール化させる必要があります。
でも、だれが作っても一定の情報品質を維持できるのが、Notionの大きな利点なのです。
導入後の運用方法
導入できて、ナレッジが溜まってきたことで、私は、次の段階に進みます。
- 運用の型をテンプレ化する
- 議事録テンプレ
- 稟議・承認の流れ
- 引き継ぎテンプレ
- 権限と変更ルールを文章で固定する
- 誰が何を変えられるかを明文化
- 変更申請を残る形にする
- Notion AIを“文章作成”ではなく“運用支援”に使う
- まとめ直し(Notion meet note)
- ページの検索(FAQBotを作る)
とにかく、引いた線路の保線にリソースを投入していきます。
これ以上複雑な運用はしません。
とにかく、ナレッジの共有という文化を根付くことだけ考えていきます。
そして、公益法人で欠かせない決済権限運用できれば、まずは完成系となります。
Notionのいいところは、運用しながら仕様変更してもバグらない点です。
この安心感から、改善変革に勇気を持てるようになります。
他のバックオフィスツールは、数多くあります。
でも、一度作ったら、あとは形骸化してしまう従来のツールとは違い、まさに改善に向いた環境を作れるのがNotionではないでしょうか。
最後に一番大事なこと。それは……。
Notion無料プランでは、ナレッジ共有が完璧ではない、ということ。
実は、ここにコストがかかるという概念が、今までなかった法人が数多くあります。
これこそ、公益法人はじめ特に、小さな規模ののNPO法人での「回らなさ」の根っこなのです。
ツール代をケチると、結局は「探す時間」「聞く時間」「やり直す時間」として支払うことになります。
しかも、その請求書は、いつも同じ人のところに届く。
だから私は言い切ります。
そもそもNotionに課金した方がいい。略
情報基盤は“無料のおまけ”ではなく、活動を守るインフラです。
=編集後記=
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