DXの導入前後を、新幹線と解きます。
その心は……
欠点がなくなり、良さが残りました。

新幹線導入で変わったことと変わらなかったことに似ています。
以前の悩みがなくなりました
欠点がなくなり、良さが残った。
本当に?という声が聞こえてきそうですが、だいぶざっくりとした評価です。
細かく、小さなクレームがあると言えばありますが、
そこは、対応可能なことなので、スルーします。
業務改善では、このスルー力も大切です。
小さなNPO法人にNotionを導入して、初めての決算を迎えました。
ここで実感したことは、変わることに対しての周りの変化が顕著に現れれたということです。
では、実際に現場でのつぶやきを時間系列で拾ってみます。
- それ、必要ある?
- え?これを使わないとだめ?正直、スマホで見ると固まるから見づらい……。
- ねえ。これはどこに入れたらいいの?
- そうなんだ。もう、これで発信していくんだ。
- 会社のような管理をしても意味ないのでは?
- あれ?これって、あとから見るのがすごく楽なんだけど。
- お!履歴をたどるのが分かりやすい。
- 入金管理で計算するの、こんなに楽なんだ。
- 会員用ページは、案外見やすいかも。
- へえ。リアルタイムで、情報共有ができるんだ。
- ところで、アクセス権限の管理はちゃんとできている?
←運用に意識を持つようになってきた。 - おお。定期総会案内は、URLのリンクだけで共有できるんだ。
正直、もっと辛辣な声は、あったかもしれません。
でも、なぜか、私の耳には入ってきていません。
入ってこないなら、それは、声として存在していないというスタンスを崩さず、今も着々と進めています。
今回、Notion導入が急速に進められたのは、Notionフォームと、オートメーションが活用できるようになってからです。

Notionフォームで、誰もが経費申請できるように。

申請されると、関係各所にメールが飛ぶように設定。
これらは、とても複雑なことができませんが、
データが生まれるからもらえるまでの工程を著しく短縮することができ、
また、処理したデータを発生したところにフィードバックするまでの工程も、圧倒的にリアルタイムでできるようになったのです。
この自分たちのアクションが、リアルタイムに誰かの役に立っているという実感を持つことができたからこそ、業務改善が少し、受け入れられてきたと考えています。
昭和生まれならよく分かる、新幹線前と後の違いと似ている
東海道新幹線が生まれる前、東京と大阪の移動時間がどれくらいかかっていたか、ご存知でしょうか。
6時間半です。一日のほとんどが移動時間で終わってしまいます。
でも、新幹線が生まれて、今年は60周年を迎えています。
いまでは、最短2時間21分です。もう、通勤圏内と言っても過言ではありません。
私は、DX化の前後を、この東海道新幹線のある前とその後に非常に似ていると思っています。
新幹線の良さは、圧倒的な時間短縮です。
でも、その他にも、いろんな恩恵を与えてきました。
新幹線導入後に変わったことをリストアップしてみました。
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移動時間の大幅な短縮
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東京―大阪間の移動が約6時間半から最短2時間21分に短縮された。
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遠距離通勤・通学が可能になり、居住地と勤務地・学校の選択肢が広がった。
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地域経済の活性化
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新幹線の停車駅周辺で商業・宿泊施設の開発が進んだ。
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観光客の増加により地方都市への経済的効果が向上した。
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ビジネススタイルの変化
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日帰りの出張が容易になり、対面ビジネスの機会が増加した。
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ビジネスマンの行動範囲が全国規模に拡大した。
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技術水準と安全性の向上
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高速鉄道技術が進化し、世界的な鉄道技術の基準を引き上げた。
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安全基準が飛躍的に向上し、高速かつ安全な鉄道輸送を実現した。
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都市間交流の増加
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東京・名古屋・大阪間を中心に都市圏間の交流が活発化した。
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地方と都市部間の文化・情報交流が活発になった。
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航空機・自動車交通からのモーダルシフト
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新幹線の便利さにより国内航空路線が一部減便・廃止された。
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高速道路と競合し、鉄道による移動が再評価された。
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また、新幹線導入前にあった良さが、残ったケースも洗ってみました。
- 駅弁文化の継承
- 導入前の良さ: 各駅ごとの特色ある駅弁文化があった。
- 導入後の状況: 新幹線導入後も地域の特産品を使った駅弁はさらに発展。現在も旅情を楽しむ文化として残っている。
- 駅員・乗務員によるきめ細かなサービス
- 導入前の良さ: 在来線の時代から、駅員や車掌の親切なサービスや接客の丁寧さが評価されていた。
- 導入後の状況: 新幹線でも接客サービスの質が保たれ、日本の鉄道のホスピタリティは変わらず維持されている。
- 安全性と定時運行の伝統
- 導入前の良さ: 日本の鉄道は昔から安全性・定時運行に定評があった。
- 導入後の状況: 新幹線でも高い安全基準と正確な運行が徹底され、世界に誇る日本の鉄道の特徴として受け継がれている。
- 鉄道旅行の情緒と楽しみ
- 導入前の良さ: 旅そのものが目的になるような、車窓の風景を楽しむ「鉄道旅」の文化が根付いていた。
- 導入後の状況: 新幹線でも窓から眺める日本各地の景色や、車内でくつろぎながらの旅行は引き続き楽しめる要素として残っている。
- 在来線と新幹線の役割分担
- 導入前の良さ: 地域の足としての在来線が、日常の移動手段として親しまれていた。
- 導入後の状況: 新幹線が高速長距離輸送を担うことで、在来線は地域の生活の足としての役割を失わずに、共存が実現している。
- 駅前の活気や賑わい
- 導入前の良さ: 駅前の商店街などが活気を持ち、地域住民や旅行者で賑わう拠点であった。
- 導入後の状況: 新幹線停車駅の駅前でも、商業施設や飲食店、観光施設が栄え、賑わいが継続している。
これらの事例は、新幹線が導入されても損なわれることなく、日本の鉄道文化の魅力として現在にまで引き継がれています。
新幹線ができるとき、山を掘り、切り崩したり、田んぼを埋めたりして、大きく環境が変わることで地域住民は不安を抱くことがありました。
でも、新幹線が通れば、自分たちの生活水準が上がるという希望もあり、変化を受け入れられてきました。
まさに、これは、バックオフィスや職場の業務改善に似ています。
変わることで、自分たちに希望があるなら、受け入れられます。
でも、それがわからないと、人は変わることに警戒心を持つようにできているのです。
職場の業務改善を新幹線の前後に置き換えるとわかりやすい
これをDX化に置き換えてみます。
- 圧倒的な作業時間と工程の短縮
- 情報の集約により、広報活動も活発になり、周辺地域への認知も上がる。
- 働き方が変わった。経費精算に例えると、振込可にしたことで、対面でなくても事務ができるようなった。
- 情報漏洩のリスクが減った。紙ペラの書類を紛失による名簿の情報漏洩を防ぐことができる。
- 関係各所との連携が容易くなった。◯◯さんでないとわからない、といった業務ストップがなくなり、シームレスに対処できるようなった。
- 全員、会費納入は現金持参で!総会には顔を出すように!
だったのが、オンライン、文字起こしによる議事進行を共有できて、参加できなくても意見交換ができる場ができた。 - LINE一択の情報発信により、LINEを使わない人がなかなか情報共有することができなかったけど、メール発信が簡単にできることで、会員全員に情報を共有することができるようになった。
いいところづくしです。
また、先輩会員が持っていた貴重なナレッジを共有することができ、廃れそうになっていた文化を継承し続けやすくなるのです。
この未来像が見えるかどうか。
これが、業務改善を受け入れてくれるかどうかの境目です。
基本、人は知らないことを受け入れることはありません。
であれば、ちょっとした改善を、組織にいるメンバーが体験できるようになれば、必ず好転していきます。
それまでは、今やっている業務改善は、必ず全員に恩恵があると信じて、手直ししながら進めていけることだけに、集中するのが、改革者の役目なのです。
新幹線の高架線設置工事に、日常生活が変わることに不安を感じた日々もあったけど、
実際新幹線を使うようになったら、生活が一変して便利になった!
これと同じことが、今いる職場環境に起こるなら、めげずに進めることができるでしょう。
=編集後記=
【昨日のできごと】
夜の24時になると、システムダウンするクラウド会計ソフトを使っての記帳代行。
利用する時間帯を考えることにしました。
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