経理を仕事にしている私ですが、現場での経理業務では、Notionをほぼ使用していません。
強いていえば、電子取引保存と、入金と支払管理に活用しているくらいでしょうか。
これでも、会計を専門にしている方々は、Notion愛好家でも経理で使っている人はほとんどいません。
理由は簡単です。
集まった数字から、何を見ようとしているのか。
その最終目的地点が、一般の人と違うからなのです。
Notionに仕訳集計したくなる気持ちはよくわかる
直接、あれこれ見てきたわけではありませんが、Notionで家計や経費、売上の管理をしている方が多くいらっしゃいます。
数字は、毎日触ることで、自分の状態を知ることになるので、自分が1番馴染みのあるツールで、数字を管理することは、私はいいことだと考えています。
特に、Notionは数字を見て、自分の仕事の進捗をチェックすることも可能です。
数字から自分の仕事を生み出すきっかけが、Notionにあるならば、私はぜひ、どんどん活用していただきたいと思うのです。
とにかく、毎日、せめて毎月は数字を触ってほしい、それだけです。
でも、会計人(会計の専門家)の立場から、Notionで数字をまとめることは、推奨していません。
理由は簡単で、Notionでは役目を果たせないからです。
会計人は、その先の試算表に落とし込むまでが仕事なので、Notionで集約するだけでは仕事にならないわけです。
となれば、下手にNotionを絡ますのは、非効率とも言えるのです。
会計との親和性が高いのは、実はExcel
会計を支えている仕組みは、複式簿記です。
専用の会計ソフトができたのが、1980年に、パソコンが普及した時代と言われてます。
経理は効率性を極めるのが、課題でした。
複式簿記による記帳の手間は、いまでは考えられないような膨大な作業量だったのです。
そして、大量の紙との戦いでもありました。
紙を制するものが、経理を制する。
そんな時代だったのです。
そんな非効率を解決したのが、会計ソフトでした。
専用ソフトは、この経理・会計の非効率から開放した貢献者なのです。
会計人は、そのことはよく知っています。
とにかく、会計ソフトを導入することが、数字の正確性を守ってくれていることを。
そして、Windowsが発売され、MicrosoftのExcelが広まったときに、
会計人は、会計ソフトで解決できないことを、Excelを利用することで、ソフトを拡張することをしてきました。
会計・経理の現場では、少しでも作業効率をあげ、1日でも早く数字をまとめることに、尽力つくしています。
そのツールとして、会計ソフトとExcelを利用しています。
あくまで、数字の最終目的地が、会計ソフトによって出力された試算表(すべての科目の増減を集計した表)です。
その試算表を補完する帳票を、Excelで作成することで、より数字を理解することができます。
とにかく、会計人の最終目的地が、試算表のその先なのです。
コミュニケーションツールとしてNotionを活用
もし、会計の歴史に「〇〇時代」とつけるとしたら、前項までが、「数字分析のための技術進歩の時代」でしょうか。
でも、2024年からは、本格的に次の時代に移り変わろうとしています。
すでに、FinTech(フィンテック)は、少し前から標準搭載されています。
銀行口座の入出金データが、会計ソフトと連携できたのです。
そして、今ではAIです。
仕訳もなんなら、人の手で行われないで、すべて自動化が可能となってきたのです。
これは、かつて、紙で伝票を起こしていた時代から望まれていた、超効率化の答えと言えるでしょう。
もう、自動化できることは、これ以上ないかもしれません。
でも、この技術進歩でも、どうしても解決できないことがあります。
それは、取引が起きた瞬間の情報が、未だ人の手で起きているということです。
ここで、解決できるツールが、実はNotionじゃないかと考えています。
例えば、事業主と会計事務所の間を、Notionで繋いだらどんな世界線になるか。
ちょっと覗いてみます。
<前提>
不動産のオーナーさん。賃貸に出しているアパートの固定資産税を、QRコード決済で納付している。
その納付完了連絡メールを、税理士にPDFデータで送ることになった。
①まずは、事業主のメールにある、納付完了メールを、Notionにsaveする。
②メールのPDFデータが保存されているNotionデータベースを、税理士と共有する。
③会計事務所は、必要に応じて紙出力orPDFデータダウンロードをして、申告の資料として活用。
これだけです。
事業者の備忘録が、そのまま領収書の授受ができてしまうのです。
そして、なによりも真骨頂がこちら。
<前提>
経理担当者から、退職予定者の源泉徴収票を作ってほしいと依頼がきた。
連絡ボードとして、活用できます。
それも、中に画像データやコメントまで、すべて記録として残ります。
このデータを開いてみると、下のようになります。
もし、会計事務所が帳票を出力していただくことになれば、このコメントの下に、PDFファイルを添付してもらうだけでOKです。
仕事をする事業者にとって、仕事を受注するまでのやり取りが、経理の記録として残せば、次の商談ではより効率よく情報をまとめることができるはずです。
会計事務所の場合、事業者からの資料提供と、それにともなうやり取りがワンセットでチェックできるわけです。
これを、双方で持っていることで、経理担当者の引き継ぎ、会計事務所内の担当者引き継ぎで、そのままページを渡すだけで引継書ができてしまっている状態になります。
もし、これが、メール、チャットワーク、LINEだった場合、情報がストックされず、どんどん流れていってしまうため、あとから見返すことができません。
Notionが情報ストックするツールなのに、とても見やすいのは、データベースのビュー変換という離れ業をおかげです。
このやり取りのデータベースをカレンダーに表示すると、すっきりとわかりやすくなります。
このように、経理・会計で1番肝となるのが、情報元の管理です。
すでに、請求書が発行され、支払いが終わったあと、事実が判明して、後の祭りだったというケースは、山ほどみてきました。
「ああ、先に言ってくれたら、こちらが不利にならずにすんだのに……」
でも、逐次ストックできるNotionで、情報共有していれば、事前に大きな取引を確認できて、事業者を守ることができるようになります。
私がNotionを会計ツールとして活用しないのではなく、情報共有ツールとして経理・会計の現場で活用しているというお話です。
もし、Notionで売上や経費を集約している事業者の方は、ぜひ、そのページを会計事務所と共有してみてください。
そして、連絡用データベースを共有し、質疑応答の記録を残してみてください。
双方にとって、メリットしかないはずです。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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