AI時代の手書きとデジタルの使い分け

最近、Notionの機能が進化し、単なるデジタルメモ帳からコンテンツ再構築ロボットになってきました。

こうなってくると、自分から出る言葉のすべてを、Notionに入れてしまいたくなります。

アイディアもNotionAIによって、練ってくれるようになります。

となると、手書きで書いていたあのノートたちが、どんどんくすんできています。

このまま、手書き文化が消えてしまうのでしょうか。

漢字を10回書いた小学生の勉強法は廃れるのか

手書きが苦手だと、その後の勉学に影響を与えていた時代。

今でも、学校で教わることは、ひたすら同じことを反復させて書き続けることでした。

人は、書くことで記憶に定着すると言われ、苦手な漢字練習を続け、しまいに勉強が苦手になってしまう場合もありました。

今でも覚えています。

小学生のとき、どうしても何十回漢字を書いても覚えられない同級生がいました。

しまいに先生がしびれを切らして、
「どうして覚えられないの？他の子はみんなできるのに！」
と声をあげてしまうことがあったのです。

時代は過ぎ去り、教育技術も研究が進んできました。

一度に何回も漢字を書くより、思い出すタイミングで書いたり、意味を含めながら書くといった、工夫しながらの筆記でこそ、記憶に定着すると言われています。

あのとき、先生に怒られながら漢字を書き続けていた私。

今、Notionに記録して、意味もわかるようにデータを残したほうが、勉強になることに、いい時代がきたものだと、喜んでいます。

なぜ、私は手書きに執着しているのか

しかし、かたや、私は、手書きで記録することに、実は執着しています。

キーボードに打ち込むより、手書きが絶対いいと思ったきっかけが、事故で利き腕を怪我したときでした。

当時、左手一本でパソコンに日記を書くけど、まったく文章を書いた気持ちになれなかったのです。

思い返せば、悩みや辛いことがあると、よく日記を書いていました。

今で言うジャーナリング。モーニングノートとも言います。

文字を手で書くことで、そのスピードに合わせて感情がゆっくり沈殿していき、本当の気持ちをあぶり出す感覚が生まれます。

人は追い込まれると、自分自身を見失いがちになります。もちろん、私も仕事を失うことに恐怖でいっぱいでした。

その黒い感情を、万年筆のブルーブラックインクにのせて、紙との摩擦でどんどん出ていきます。

それは、まさに血反吐を出すのと同じです。

それを、きれいな言葉に置換していくと、嫌な感情を私の体内できれいに置き換えられていくようでした。

まさに、手書きにしかできないことです。

手術直後は、全く手が使えず、このときはカウンセラーの方に、当時の不安と現実を受け入れられない気持ちを、口頭での壁打ちをさせてもらいました。

でも、話すとどんどん思いが湧いては消化されるようで、1日でも早く利き腕で文字を書きたい衝動は消えず、リハビリを頑張ったものです。

左にペンを持ち替えて文章を書いてみたけど、感情に届く効果は、ほとんどうまれませんでした。

確か、モーニングノートに「このガジェットを買うぞ！」と書いたものすべて、購入できています。

そして、やりたいと書いていた仕事もいただけるようになりました。

おそるべし、手書き。iPadにアップルペンシルで書くより、ペン先からインクがでる万年筆で書いた方が、私はしっくりきました。

インクフロー＝自身の血を流す

そう思うのは、人に言えない感情を持ったときに、実感するはずです。

忘れる情報はデジタルに　記憶感情に残す記録は手書きで

私のセミナーでは、すべてパワーポイントで説明せず、板書も利用します。

受ける方にも、手書きスピードで、情報定着の時間を作れるようにしています。

こうして、知識や情報、感情を腹落ちさせたいとき、私は手書きを選択しています。

また、自分で思いついたブログねたは、執筆した段階で記録の役割を終えて、データ整理のアイコン化させています。

これは、Notionを利用することで、自在にデータの役割を変化させることができます。

このように、デジタルとアナログの使い分けを意識すると、アウトプットするときに、自分の中にある情報を取捨選択できるようになります。

いずれにせよ、アウトプットをたくさんすることで、本当に願っていた方向に変わっていきます。

デジタルとアナログの併用を、うまく利用して自分だけのマイルールができると、ずいぶんと生きやすくなりました。

ぜひ、どんどんアウトプットしていきましょう。