IT化がまだ進めていないのに、すでに世の中はDXという言葉が溢れています。
国家総力挙げて、日本中をデジタル化に目指しています。
なんのために。
様々な憶測が出てきていますが、これを機に、今までの困ったことを解決するチャンスと捉えることもできます。
一昔前のITと、今言われているDXと、どう違うのでしょうか。
DXとは
経済産業省のHPをのぞくと、このように書かれていました。
「文書や手書きを単に電子化するだけではなく、ITを徹底的に活用することで、手続きを簡単・便利にし、蓄積されたデータを政策立案に役立て、国民と行政、双方の生産性を抜本的に向上することを目指します。」
なんだか、偉く気炎を上げています。電子帳簿保存法も、強制的に電子取引の保存を進めているわけもわかります。
国がここまで焦っているのは、世界中がDXをデフォルト化されている現状もあります。いつまでも、紙やハンコに囚われていたら、国際競争にさえ参入できないのです。
これを、中小企業の立場に置き換えてみます。
「手書き伝票や紙の請求書を単に電子化するだけではなく、ITを徹底的に活用することで、手続きを簡単・便利にし、蓄積されたデータを経営判断に役立て、会社とそれをとりまくステークホルダー、双方の生産性を抜本的に向上することを目指します。」
手書きを電子化にするだけなら、単なるIT化ですが、蓄積されたデータを活用するまでがDX化であることがわかりました。
これなら、中小企業なりの戦い方を得られることがわかります。
さて、これからのイケてる中小企業は、このDX化に取り組んでいることが理解できましたが、どこから手をつければいいのでしょうか。
ここをしっかりと、押さえて置かないと、外部システム屋の思うつぼにシステムを買わされるはめになり、無用の長物になってしまいます。DXどころではありません。
まずは経理の困ったことを解決してみる
この「データ化」に着手しやすいのは、経理です。
経理は、取引をデータ化し、経営判断に必要な情報を整える仕事です。
経理担当者が、いつも怒っていること。社長が欲しいのになかなか出せていない情報、などなど。
まずは、それらをピックアップしてみましょう。ブレーンストーミングで出して、あれこれ脱線しながら出していくと、自ずと問題が浮き彫りされてきます。
現場から回ってくる請求書が遅い。
小口現金の精算がいつも遅れる。
などなど。
月次決算の早期化は、経理にとっても現場にとっても、経営者にとっても、3者Win-Winです。
それを目標に、改善策を洗い出していけば、粗方問題点を浮き彫りさせることができます。
情報は個人保有からみんなで活用するものへ
昔は、よく現場担当者の引き出しの中に、請求書が溜まり、支払が遅れるのももちろん、月次決算が正しくされないことがよくありました。
DX化することで、個人が抱えていた情報は放出せざるなくなり、即組織の情報として管理されることになります。
経理のブラックボックス化も、阻止できます。
情報は、個人ではなく、データとしてみなで共有するものになります。
単なる数字が、貴重な宝物になる。
これが、DX化です。システムを入れることが答えではありません。
外の世界に、儲かる話が転がっているのではなく、自分たちの手の中に答えがあります。
お金がなくてもできる。スモールスタートで、幸せの青い鳥を手にいれましょう。