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経理・家計簿のテンプレートを配布する際に注意すること

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なにごとも、仕事するうえで責任はついて回ります。

でも、想定外の責任を負わされる現実もあります。

先日、その話しを聞いたときは背筋に冷水が垂れていくのを感じました。

私が専門とする経理関係でかつ、簡易的ツールを作る界隈に向けて、注意点をまとめてみました。

今日は、本当に大切なことなので、短めにわかりやすくまとめます。

目次

もう、記帳代行・経理代行の時代は終わる

今まで、様々な税理士の下で仕事をしてきていますが、みな共通していることは一つ。

お客さんの税務関連に命をかけて仕事をしているということです。

昨今の税法は複雑怪奇になり、ポッと出の経験者が、どうのこうのアドバイスできる範疇を軽く超えております。

もともと、税理士法によって、税務相談は税理士しかできません。

そして、記帳代行や経理代行といった業務は、今まで無資格でもお咎めがありませんでした。

しかし、これからの時代、経理のプロが仕訳を登録する時代が終わり、知識のない人がAIやデジタルの力を借りて経理をするようになってきています。

つまり、税法の難しさは、経験のある経理のプロからAIやデジタルといった機械が変わって判断するのです。

軽い気持ちで、仕訳登録したら、税法上の不利が生じてしまった。

そんなありえないことが現実に起こっています。

そうなると、今までExcelの延長で使っていた自作帳簿では、今の税制に耐えられないこともご理解いただけるかと思います。

自作帳簿アプリの危うさとは

では、なぜ自作帳簿が危ないのか、私でもわかる範囲で噛み砕いて解説します。

自作帳簿アプリは、あくまで自分ユースケースのみ対応

現在、ネットに出回っている帳簿テンプレートは、あくまで自分が必要で作ったものを、「お役にたつなら、使ってみて」という精神で公開されているものです。

かつては、そのリテラシーがある人たちで、互いに公表しあう文化があったのですが、昨今のAIの一般化に伴い、いろんなバックボーンを持つ人が情報をもらいに参入しています。

これは、社会全体のIT・DXリテラシーアップには非常に好ましいことです。

これからは、作った人が想定していない使われ方がするようになるリスクが出てきます。

そして、自作帳簿ツールは、あくまで自分だけのケースに合わせて作られています。

消費税課税事業者ですか?

電子帳簿保存法の要件に合わせていますか?

所得税青色申告控除は、10万円ですか?55万円ですか?65万円ですか?

たった3つの要件を確認するだけでも、鬼のようなコードを書き出さないといけません。

そんな恐ろしいものを、自分だけのケースのみに対応したツールを世間に公表するのはリスクしかありません。

マジで、専門家はリスク回避で個人のお客さんを手放す

日本で登録している税理士先生のすべてが、そうしているわけではないので一概に言えませんが、年々、税法の難しさから、安価な値段で個人の申告を受けなくなってきている現状があります。

まして、賠償責任を負わされるわけですから、自分や家族、職員を守る意味でも、個人のお客さんを受けにくくなっているのは事実です。

そうなると、次になにがおこるのか。

個人の申告を自分でやる人が爆誕してきます。

今や、副業も含め、独立や起業がしやすい時代になっています。

そうなると、複雑な税法をしっかりと担保するツールを作れる、資本力のある会社が作る会計ソフトに頼るしかありません。

しかし、数百年も続く、簿記という完成された仕組みを使っている以上、ソフトが自在に柔和になる部分はほぼありません。

どんなにUIをわかりやすくしても、簿記を知らない人に使ってもらうのに必要な「単純さ」は実現できないのです。

そこで、出てくるのが、クッション材として存在する素人が作った帳簿ツールです。

そういう意味で、存在価値はありますが、所詮素人が作ったものです。

ノーコードツール等で作ったテンプレートで、経理の楽しさを味わう分には問題ありません。

しかし、これで帳簿はOK!という趣が少しでもあると、誤解されるリスクがあがるのです。

ノーコードツールの広がりとともに生まれたリスク対策

ノーコードツールによるテンプレートクリエイターにとって、やっかいな時代になりました。

自分が使って感動し、良かれと思って公開した作品に、クレームを入れられるケースが想定されます。

とくに、経理・家計簿といったテンプレート。

これは、事業用に転用しNotionで完結されると法律の要件に満たないため、利用者に不利益を被るようになります。

これは、私達クリエイターが望む結果ではありません。

もし、これから帳簿のような収支集約テンプレートを公開するなら、

専門家である税理士の監修を受けて、万全な体制をとることです。

それが叶わないなら、事業用には使わないこと、最後まで自己責任でお願いしますと、わかりやすく明文化しておくようにしましょう。

  • テンプレートの目的を明確に説明する
  • 利用規約や免責事項を分かりやすく記載する
  • 更新履歴を残し、変更点を明示する
  • 専門家への相談を推奨する文言を入れる

=編集後記=

【昨日のできごと】
夜の24時になると、システムダウンするクラウド会計ソフトを使っての記帳代行。
利用する時間帯を考えることにしました。

 

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この記事を書いた人

個人事業主・中小企業教務効率コンサルタント。Notionアンバサダー。「一緒に未来を見る伴走者」として小さな会社や個人事業主の方をフォロー|職種を超えて参加できるバックオフィス構築|オールインワンアプリ「Notion」を使った経理ノウハウなどのオンラインセミナーを開催|ほぼ毎日更新ブログ「経理戦略会議」管理人。メルマガ50代からのひとり仕事を毎日配信。

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