経営者と個人事業者は、似ているようで全く違います。
この2つを、IT業界に当てはめてみると、
経営者は、仕組みを組み立てるプロダクトマネージャーであり、
事業者は、仕事のアウトプットの効率を考えるエンジニアのようなものです。
同じ儲けを目的に、ビジネスをしていますが、働き方が全く持って違うのです。
一年草と多年草 個人事業主と経営者の違い
このブログを読んでくださっている方の中で、IT業界と触れ合うことのない方もいらっしゃるかと。
では、植物の分類を例にして、個人事業主と経営者の違いを説明してみます。
私は、経理コンサルタントです。
お客様の状態を、数字で把握することができます。
そして、それぞれの人格によって、ビジネスに対する考え方も変わってきます。
先日、中小企業の社長の集まりに、ゲストで招待してくださいました。
今までは、個人事業主の起業塾など、ひとりビジネスに特化して、いろんな方と出会ってきました。
ここで感じていたことは、個人事業主の方々は、毎年の確定申告で無事に乗り越えることを中心に、物事を考えているということでした。
そして、中小企業の社長は、毎年の納税を資金繰りの一つに考えており、それより従業員やその家族の未来を守ろうとする行動が多く見られたのです。
個人事業主にも、従業員を雇ってビジネスをしている人もいらっしゃいます。
でも、不思議なことに、社会により強く、還元していきたいと願っているのが、個人事業主の方より、中小企業の社長に多いように思います。
これらを、植物の一年草、多年草に置き換えてみると、
毎年の花を咲かせることだけ考えて、次の年は、前の年に蒔いた種から同じ土壌で花を咲かせようとする、個人事業主。
一つの株で、毎年花を咲かせ続けることに、心血注ぐ中小企業の社長さん。
同じ花を咲かせて実を実らせているけど、繁殖の仕方がまったく違うように、仕事への考え方や方向性が同じではないのです。
これは、個人事業主と似て非なる、ひとり社長も全く違う考え方になります。
経営での思考パターンは、会計基準に影響を受けている
なぜ、同じようなビジネスをしているのに、個人事業主と中小企業の社長さんとは、違う考え方になっていくのでしょうか。
理由は、事業を記録する会計の仕組みによって、ビジネスに対する考え方に影響を与えているからです。
仕事を考えるとは、お金をどうやって増やすのか、投資するのかと、悩むのとほぼ同じです。
そのお金のことを考える時、元となるのが財務諸表、つまり決算書から問題点を洗い出します。
それだけではありません。
法人と個人の会計の違いに、次のことも影響を受けています。
- 経費の考え方
- 手元に残る事業主貸(生活資金)or 給料制の役員報酬
- 暦年の利益の活かし方
- 資金調達手段の違い
- 所得税と法人税の考え方の違い
他にもあったかもしれません。
ようは、ビジネスの悩みとは、お金の悩みでもあるのです。
個人事業主の場合
青色控除申告を申請している個人事業主の方は、貸借対照表もしっかりと作り込んで申告しているはずです。
ご自身の決算書控えをみると、次の言葉があります。
「元入金」「事業主貸」「事業主借」
この3つの科目名は、個人事業主の会計にしかありません。
ここに、個人事業主特有のお金の捉え方があるのです。
ビジネスで儲けた利益は、すべて個人事業主のお金になります。
そして、その利益は、次の年の元入金にすっぽりと含まれていきます。
この元入金は、あくまで個人事業主の資金です。どう使おうが自由です(経費となるかどうか、別として)。
このことから、個人事業主のビジネスの考え方は、上手く仕事が回ること(資金繰り)だけ考えても大丈夫なのです。
中小企業の場合
中小企業は、法人税という税法に従って税金計算をします。
そして、手元に残ったお金のことを「内部留保」と言います。
法人に残ったお金は、法人のものです。社長の資産ではありません。
この法人という人格を持った、人ではない、ビジネスをする主体の面倒を見るのが、社長の役割なのです。
お金の調達方法も、個人より手段が増えます。株です。
社長は、自分のことではなく、法人という他人のことを責任を持つ仕事になります。
ここが、個人事業主を大きく違うところです。
貸借対照表を見ても、同様のことが言えます。
貸借対照表の資本の部を見れば、一目瞭然です。
前年までの、会社を興してから暦年溜まった利益、出資した株の金額、またその株に配当を出すために余剰金を繰り入れるなど、会社の利益の取り扱いにルールがたくさんあります。
このように、中小企業の社長さんは、世のため人のために働くのが仕事です。
お金の悩みをトコトン突き詰めよう
もしかしたら、資金状態を気にせず、ビジネスができたら、すごくかっこいいのでは?
そう思っていらっしゃいませんか。
もし、お金を心配がなくなったら、ビジネスというステージではなく、投資、マネーゲームの域に入っていきます。
会社を大きくしたい。子会社を作ってホールディングスにしたい。
別会社を作って、違う事業をしたいなど、ビジネスが生活からゲームに変わっていきます。
もし、自分の生活を潤すためのビジネスをしたいのであれば、とことんお金と向かい合って悩み続けましょう。
その規模が、年商一千万なのか、数百万なのか、それは人それぞれです。
50代からのひとりビジネスが望むのは、生涯自分のビジネスで死ぬまで自活できる世界です。
もし、まだ、めざす世界に行き着いていないと思われたら、とことん、お金と向かい合ってみてください。
人からは、商売人みたいと揶揄されるかもしれません。
でも、これこそが、ビジネスなのです。
これは、私自身にも言い聞かせている言葉です。
いっしょに向かい合っていきましょう。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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