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経理改善がもたらす組織の成長 小さなNPO法人の話

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経理・会計・税務……。

とてもめんどくさいものです。

効率化を果たそうと、専門家の意見をきくと、専門用語のオンパレードで、

「で、つまり、どうなんよ」とツッコみたくなる気持ち。

よくわかります。

仕事している私でさえ、このややこしい作業はなんとかならないのかと、

日々考えているほどです。

経理に詳しくない人にとって、ルール通りに処理しようとすれば、睡眠時間を削るはめに。これでは本末転倒です。

そこで、専門家への外注となるわけですが、事業を始めたての頃や規模の小さい活動をしている場合は、資金がなく、自分で頑張るしかありません。

そこで、社会と小規模事業者との折衷案で、「目を瞑る」というオフレコルールが生まれるのです。

つまり、きちんとできなくても、目をつぶって良しとしてくれることで、バランスをとっています。

この話は、あまり大きな声で言えません。

でも、ここが底上げすれば、社会全体が成長し、みなWin-Winになるのではないでしょうか。

目次

現状はこんな感じです

お役所に提出したらびっくりされた話

私は今、小さなNPO法人の理事として経理を担当しています。

今後行政との連携もすえて、きちんとした経理事務を構築したいという意向も受けて、収支計算書からNPO法人会計基準に移行しています。
(この会計基準への移行も、それなりにネタはありますが、後日また)

前年の確定申告書や財務諸表を見ると、歴代の経理担当者の努力の結晶を見ているようで、これ以上難しいことを強いるのは可哀想になってきました。

結局は、自分で導入するわけで、今後、新しいやり方で回せるように仕組みを作っていくわけですから、過去のことは問う必要はまったくありません。

しかし、私が作った財務諸表を関係官庁に提出しにいくと、窓口に来た担当者は、「え!これが正式の財務諸表なのですか……」と目が点になっておりました。

つまり、小さな公益事業をしている団体の決算書は、拙いのが当たり前になっていたのです。

なぜ、当たり前になっていったのでしょうか。

おそらく、善意で活動している団体として、温情をによる目溢しでしょう。

でも、それが結果的に団体の成長を妨げるわけで、現に問題を感じてなんとか整備していきたいと願う責任者は、数多くいらっしゃるのです。

経理の重要性が軽視されるわけ

このように、目こぼしされるのですが、なぜそうなのか、まとめてみます。

  • 小さいところは、悪いことをしても規模が小さい(重要性が低い)
  • 公益活動という性質上、収益性よりも社会貢献が重視される
  • 税務上のリスクが、営利企業より少ない(税額にしても微々たるもの)
  • 限られた人員で運営しているため作業負担をかけない配慮
  • 「できる範囲で良い」という意識が蔓延している

この最後の「できる範囲で、とにかく提出してくれたらいい」という意識が、行政側も当事者も、社会全体がこの意識になっていることが、大きな要因なのです。

適切な経理管理がもたらすメリット

では、このままでいいかどうか。

答えは、みな「本当は正しい財務諸表をつくるべき」と思っています。

そうであれば、ちゃんとする方向に改善していくことが、これからの小さな団体に求められることになります。

とはいえ、やり方も詳しくないのに、精度の高いものを作れと言われても、それは無茶です。

まずは、ちゃんとする意味をしっかりと腹落ちさせていくことが、最初の一歩になります。

  • 組織の現状を正確に把握できる
  • より効果的な予算管理が可能になる
  • 団体の持続可能性を高められる
  • 会費改定など重要な判断の基準となる
  • 組織全体での問題意識の共有が容易になる
  • 外部の関係者に対して、信頼性を高める

私は、最後の2つ

「組織全体での問題意識の共有」と「外部(ステークホルダー)への信頼性」

は、外せないと考えています。

なぜなら、組織の成長、問題をクリアするには、会員全体と外を取り巻く関係各所の協力が欠かせません。

かつては、代表者である理事長の人脈や功績により、信頼性を担保されるケースがありましたが、今ではそれは不審に転ずるリスクがあります。

時代が変わったこともありますね。

パーパス経営といった、透明性がなければ信頼されない時代になったことに気が付かないケースが多く見受けられます。

これを解決するには、実は簡単です。

きちんと経理事務、内部統制をとることです。

そして、情報共有を当たり前の文化にしていく。

たった、3つのタスクをクリアすれば、透明性が格段に上がるのです。

 

「公益=儲からない」という図式は必ずしも正しくありません。

営利活動も突き詰めれば社会貢献であり、公益活動だからといって経理がおろそかでよいわけではありません。

むしろ、公益性が高いからこそ、より透明性の高い運営が求められます。

小規模団体を「子ども扱い」することは、その成長機会を奪うことになります。

規模の大小に関わらず、適切な経理管理は組織の健全な発展には不可欠なのです。

誤った認識を正そう

具体的には、私は次のことを行っています。

  • 手書き出納帳から会計基準に合わせた会計ソフトの導入
  • 決裁権限の整備
  • 会員への理事会決議内容をこまめにアップ
  • イベントの告知や活動報告をSNSでも展開
  • 公式ホームページ、会員用ページの整備と公開

数字を扱う事務を正して、その他の情報は会員や外部に発信する仕組みをつくりました。

これにより、会員から理事会に対しての不満や疑問が、水面下ではなく、日の当たる場所で、やり取りができるようになりつつあります。

運営側も、会員に説明する手間を考えれば、全体で共有する情報を開示することは、効率がいいとも言えます。

このように、正しい手順を踏んでいけば、規模に関係なく社会に求められる経理能力を身につけることができるようになります。

  • 経理システムの導入コストの問題 →手頃な価格の会計ツールの開発や提供
  • 専門知識不足の解消 →研修機会の提供や専門家によるサポート体制の構築
  • 作業負担の軽減 →効率的な経理システムの導入と業務フローの最適化

これらが提供されれば、どのような規模の団体でも経理能力を高めることができます。

私は、小さなNPO法人や一般社団法人を対象にした

小さな公益法人パートナーラボ「絆の輪」

を立ち上げています。

 

NPO法人の経理改善は、単なる数字の管理以上の意味を持ちます。

正確な経理は、組織の透明性を高め、社会的信頼を獲得し、より効果的な社会貢献活動を可能にします。

小さな組織こそ、正確な経理管理が重要です。

それは個々の細胞が正しく機能することで生命体が健全に活動できるのと同じように、社会全体に大きく影響与えていくのです。

そうです、私達は小さい団体だから、大した影響はないと思われがちですが、違います。

小さなところの不備は、じわじわと大きなところへ響いております。

 

経理の改善は、確かに手間のかかる作業です。

しかし、それによって得られる効果は、労力に見合う価値があります。

 

ゆくゆくは、今よりもっと楽な事務効率化を進めるなら、

今がチャンスです。

正直いえば、想定より大変です。

でも、社会から求められることがわかれば、それほど難しいことではありません。

=編集後記=

【昨日のできごと】

自宅での仕事。ChatworkとNotionのWebhookの研究など

かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。

50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。

 

=おすすめのサービス=

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この記事を書いた人

個人事業主・中小企業教務効率コンサルタント。Notionアンバサダー。「一緒に未来を見る伴走者」として小さな会社や個人事業主の方をフォロー|職種を超えて参加できるバックオフィス構築|オールインワンアプリ「Notion」を使った経理ノウハウなどのオンラインセミナーを開催|ほぼ毎日更新ブログ「経理戦略会議」管理人。メルマガ50代からのひとり仕事を毎日配信。

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