新しいモノ、しくみを導入する時は、一旦今までのやり方を全部捨てないとうまくいきません。
つまり、業務フローの作り直しです。
会社の仕事は、部署をまたがって続いていきます。
特に、経理関係業務は、現場を横断した業務フローが主な仕事になっています。
現場から経理へ。経理から現場へ。経理から上層部へ。
こうも、あちこち行く仕事は、とかく余計な作業がついてまわるもの。
それらを一旦、整理しないと、実はやらなくていい仕事に、新たな仕組みで再構築させてしまうリスクがあるのです。
新しい仕組みを入れたくなるわけ
今までの仕組みから、切り替えて新しいモノを入れる大きな要因は、次のとおりです。
- 担当者が変わる。やめる。
- 業務、受注数の変動
- 事務所の移転
- 今のシステム保守やリースが満期になる。
- リモートワークの要請
など。
このように、今まで通りに業務が進められないことがわかった時、それと同時に社外からの要望等(リモートワーク推進など)があると、
「さて、システムを変えようか」という機運が高まってきます。
このとき、よくやってしまうのが、なるべく今までのやり方を崩さず、一部分のみシステムを変えるという方法です。
このほうが、変化に伴うストレスも軽減され、経費も押さえられるように、一瞬思われるようです。
しかし、これが、後の悲劇を引き起こす、大きな石となってしまうのです。
今ある業務フローが正しいとは限らない
会社の業務とは、得た情報を形を整えて社内に流していくようなものです。
つまり、情報という栄養が社内に行き渡り、血と肉になるようにするのが、社員の仕事と言えるのです。
例えば、とある場所の血管に不都合があると、別の血管がそれを担うようにカバーしていきます。
このように、最短距離で、情報が行き交っていないのが、どこの会社にもあります。
これらは、長年の環境の変化等で、苦肉の策で対処してきた結果なのです。
つまり、今の業務フローが正しいのではなく、不効率であっても、なんとかやりくりしてきた結果にすぎないということです。
一本の血管で済むところを、複数の血管でなんとか生命を維持してきているのに、あえて、血管の入れ替えも、その余計な血管まで新しく入れ替えようとする。
これこそ、まさに、今までやってきた業務の一部だけ、新しいシステムにすることなのです。
このような、ツギハギシステムの生き末は、どうなるのでしょうか。
せっかくの寿命がたいして伸びず、また、ツギハギ工事をするはめになるのがオチです。
せっかく、資金投入して新しくしたのに、意味がなくなってしまった現場は、今までも見かけてきました。
会社のことを、表面だけヒヤリングしただけでは、必要なこと不必要なことが判別できません。
実は、大切なものなのに、非効率に見えてしまって、切り捨てたことで、別の弊害を起こしてしまう可能性もあります。
外部のコンサルティングでも、新しいシステム導入を失敗させてしまう大きな要因は、ここにあると考えています。
3つの段階を踏んでの導入
一番理想的な、会社のシステム変更は、社内業務に携わってきた社員が、自ら実行することです。
- 従業員同士の空気感を知っていること。
- 社内業務フローを把握していること。
- 上層部の決断に、何が必要か理解していること。
- Excelや、パソコン操作になれていること。
この条件を満たしているボジションの人は、小さい会社の場合、経理担当者が該当します。
まず、この経理担当者が、社内のうまく行かないことに、正直に向かい合うことから始まります。
そして、特別なプログラミングスキルがなくても、構築できるNotionを使って、社内業務改善に取り組むのが、一番経費がかからない方法でもあるのです。
組織導入の前に、個人利用する
まず、Notionとはどんなものなのか、自分のプライベートで活用してみます。
- 日記
- 読んだ本の記録
このあたりから、始めるといいでしょう。
本の代わりに、「推し活リスト」も有効です。
私は、コスメリストを作るところから、始めました。
Re:コスメフェア コスメ好きがNotionを使って断捨離してみた
まずは、システムを組むという体験を、身近なものでチャレンジしてみます。
自分の好きなことであれば、継続できます。
自分の仕事周りから会社で利用始める
次に、自分の会社での業務内で、利用していきます。
自分だけで完結できる業務です。
経理であれば、経理タスクをNotionで組んでみたりします。
もし、うまくいけば、そのデータベースは、社内で共有することも有りえます。
今度は、一つのデータをどのように、人と共有するのかを想像する練習です。
実際に、自分が担当する業務から、ひっそりとNotionを組んで、併用してみましょう。
手間に思えるところから、いかに今までのやり方の問題点が見えてくることも。
議事録、会議資料の共有へ
次に、社内の人たちに、新しいシステムに慣れてもらう段階に来ます。
まずは、経理の仕事を、Notionで進捗管理、入出金管理などにトライします。
また、Notionと会計ソフトの連携(csvデータのインポート、エクスポート)にチャレンジします。
大丈夫、もし、会計ソフトに間違えた仕訳を入れてしまっても、いくらでも訂正できます。
そうして、次の段階に、テキストデータを社内で共有することから、社内全体でNotionに慣れてもらうようになります。
一番やりやすいのが、月次試算表や、会議議事録、アジェンダ、社内規定の共有などでしょう。
このあたりまで来ると、会社によって導入の進め方に違いが出てきます。
会社規模、業種、社内風土によって、そこは、まちまちです。
このあたりになると、経理担当者が主導で改革を進めていくことで、間違えた方向に進まないようになるので、安心です。
仕事を減らす
最後に、仕事の断捨離を行います。
- 同じデータを、何回も手入力していないか。
- 上司への報告用、従業員用と同じデータを様式変えて、わざわざ作り直していないか。
このあたりを、シビアに見直します。
基本、現場で入力されたものが、そのまま経理データになって、会計ソフトに取り込まれるようにします。
経理担当者の仕事は、あくまで、データのチェックです。
ここまで進められることができれば、あとは、流れにそって進めればOKです。
変わることで、現場も意見を発するようになります。それをただ受け入れるのではなく、会社全体の利益になるか、よく検討するように誘導して差し上げればいいのです。
やり方が変わることで、不安な感情が沸き起こりやすくなります。
でも、社内の業務フローが、それぞれ見える化が図られて、情報共有にシームレス化が体感できるようになれば、社内の人たちの意識が、自分たちだけではなく、会社全体に気持ちを向けられるようになるはずです。
まさに、全身に血が巡ると、体調がよくなるのと同じことです。
社内の「困った」が、生まれ変わる大きなきっかけとなります。
また、今までごまかしてきた粗相も、顕になります。
その覚悟を持って、新しく生まれ変わるきっかけを、前向きに捉えられるようにしたいものです。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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