経営は難しいです。
みなさん、悩みながら行っています。
様々な社長さんとお話しすることが多いのですが、上手く経営ができている人と、苦労されている人に、違いがあるように思えます。
私が思う上手い経営とは、
① 投資家のマネごとをしない
② ほぼ正しい答えを導く
③ 身の回りで起こる事象の根本を知ろうとする
の3つです。
創業者であろうが、何代も続く家業を受け継いでいようが、上手く経営することができる人は、おおよそこの3つを兼ね備えている傾向がありました。
あくまで、私の社内比なので、参考までに。
投資と経営の違いを知っている
とかく、経営者は、事業拡大に勤しむイメージをもつ人も多く、経営の成功=事業拡大と捉える方が多いようです。
たしかに、一定金額の利益を得ると、自由に運転資金を得ることができて、事業拡大できた経営者に、マスコミが注目することもあって、非常に目立つ存在です。
しかし、よく考えてみると、人々の注目が集まるところには、広告収入など収益が発生されます。
つまり、羽振りのいい経営者とは、本当の意味で成功しているか表にでていない上に、注目度数で視聴者数を稼いでいるにすぎないケースが大半です。
成功している経営者を母数にしたとしても、それは、ほんの僅かであって、決して、事業拡大=経営の成功ではないのです。
事業拡大する場合、そこには投資家としての判断がないと実現しません。
経営者は、事業を継続することを第一にしており、投資家は事業からリターンが得られるかを第一にしています。
この「継続」と「リターン」は、相反する考え方ではないかと思うのです。
なぜなら、「継続」は、時間軸という横の流れをと切らせないことで、「リターン」は金額を得るという上下の乱高下を含めることだからです。
この、縦軸横軸の両立があって、初めて事業拡大が実現するのです。
しかし、ほとんどの経営者にとって、事業の継続をするだけでも、大変な仕事です。
そのため、賢い経営者は、この投資家としての判断を、自ら下さないようにして、リスク回避をしているのです。
ここに気づいている経営者が、失敗リスクを回避できる経営が行うことができます。
自分の感覚を信用しない
よく、「社長のカン」という隠語があります。
経営判断を、カンに頼り、たまたま上手くいけば経営者思考ができていると思いこんでしまうことです。
本当に経営判断できているときは、きちんと経理から上がってくる数字を分析できて、きちんと外部にも説明ができるものです。
数字が読めるとは、損益計算書を眺めることではありません。
損益計算書から、経営判断に必要な数字を読み取ることが「数字を読める」ということです。
この数字を読む過程で、主観から客観的な視点を得るため、「社長のカン」に対して、絶対的信頼から疑心暗鬼になっていきます。
理念と現実には、必ず差が生じているのが常です。
その差を、正しく認識することが、経営判断の第一歩であることを知っている人が、良い経営者であることが多いようです。
物腰が柔らかい
物腰が柔らかいとは、誰に対しても頭が低いという意味ではありません。
意に反する状況がでたとき、周囲に責任を押し付けない、という意味です。
なぜ、経理が上手く回らないのか。
なぜ、営業が芳しくないのか。
なぜ、求人が上手くいかないのか。
そこの担当者を攻める前に、ひたすら状況をリサーチすることに徹することができる経営者は、なかなかいません。
しかし、上手くいっていない時こそ、すべてを引き受けることができる経営者は、必ず回復させることができます。
この上手くいく経営者の考え方を、一つに言えるとすれば、
「状況に対して達観視できる。」技術を持っている、ということでしょうか。
経営センスは、生まれ持った才能ではありません。
単なる技術です。
一見、カンが冴え渡る人がすごい経営者と思われがちですが、実は、堅実に一つ一つ分析できる人が、経営を成功させているようです。
自分にとっての成功とは何か。
自分がやるべきことは、何なのか。
一度、内省してみるといいかもしれません。