※江戸時代から続く地元の豪農母屋 今と比較して生活を正す大切さに気付かされます
毎月、月次決算を行う会社にとって、今月の数字をどのように見ているのでしょうか。
前月より収益が増加しているのか。去年と同じ月だと、どのくらいずれているのか。
月次決算だけではなく、もちろん年次決算においても、何かしら比較して、今を評価していると思います。
もし、比較すべきものと、気にしなくてもいいものが予め分かれば、余計な帳票を作成する必要もないし、よりよい経営判断に反映させることができます。
過去と今
何のために、比較をするのでしょうか。
それは、今の自分を知るためです。
創業してから、売上規模はどれくらい変化しているのか。
貸借対照表の利益剰余金が、どのように増減しているのか。
過去と比較することによって、今の力を推し量ることができるのです。
そして、未来との比較は、今のこの瞬間から、自分のやるべきことや、方向性が間違えていないかを確認するために行います。
前者でよく用いられるのが、3期比較と言われるものです。
ここまで、派手に比較しなくてもいいのですが、3期続けての数字の推移をみれば、必ず今起こっていることの原因がわかってきます。
もう1つは、「予実管理」といわれるものです。
公益法人会計基準の帳票でも、収支予算書というものがあります。年度が始まる前に、翌期の事業計画に沿って予算書を作成します。計画を数字に落とし込む作業です。
そして、事業年度が走り出したら、予算通りに業務が遂行されているかをチェックします。そして、予算より逸脱したら、原因を確認して、軌道修正をかけるか、補正予算をかけるかを判断します。
このように、今のスペックを知り、向かう方向を羅針盤で確認します。
これが、事業や会社の経営なのです。
自分と他者
私の中で、あまり気にしなくてもいいとおもっているのが、他者(他社)との比較です。
他者(他社)の成功や失敗に、一喜一憂しても、自社の経営に有利になるとは限らないからです。
強いて言えば、他者(他社)の成功を参考にするのは、いいと思います。憧れをもつことは、強い信念を生むので、それを利用してモチベーションを高めることができます。
しかし、自他共に失敗から得る教訓は、未来に対して、なんの具体性もないのです。
あのときは失敗したけど、未来の状況で、同じ環境下に置かれることはまずありません。
違いを上手く利用しよう
月次決算を毎月出したら、ただ売上や利益の増減を見て、なんとなくわかった気にならないようにしたいものです。
「前期比較」で、当座の現状を把握し、
「三期比較」で、実力がどのくらいか推し測り、
「予実管理」で、方向性を確認する。
今の自分を正しく映し出すツールとして、毎月チェックしていただきたいです。
そして、この瞬間から始まる未来に向かって、一歩一歩を踏みしめていきます。
この繰り返し、積み重ねが、未来の潤沢な経営を支えるのです。