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「数字が教えてくれた「本当に必要なもの」経理は最高の自己分析ツールだった」

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経理は、仕事の根幹を支える大事な業務なのに、どうも「数字をまとめればいいんでしょ」「証憑を漏らさず処理すればいいでしょ」と思われがち。

私は、そんな現状に少し悲しい気持ちになってしまいます。

ああ、これは、自分が好きな人なのに、誰にも「いいね」されない、あの悲しい気持ちに近いかもしれない。

そう思って、経理を恋愛に置き換えて考えてみました。

目次

経理データは「恋愛関係」だった!?

今、自社経理を進めています。個人事業主なので、「確定申告への道」と題して、日々Xにポストしています。

毎回、思うことは、経理はやる前が一番辛くて、やっていると楽しくなって、終えるとすっきりする、不思議な業務だなということ。

なぜだろうと、考えてみると、それは、経理をしているときに、心に響いたり、ひらめきが生まれるなど、感動することがよく起こるからでした。

目の前にある、会計ソフトに入れるべく入力しているものは、ただの数字じゃないのです。

 

経理で使われるシステム。それは簿記です。

実は、この簿記は、ダブルルートが対になっている仕組みです。「借方」「貸方」と名前がついています(簿記検定では、言葉の意味がなく、丸暗記で覚えるやつ)。

この2つは、対になっているので、バランスをとるために、どちらが多くても少なくても駄目という、絶対的ルールがあります。これが、「貸借一致」であり、これができなければ、入力したもののうち、どこかに間違いがあるという、アラートであると叩き込まれます。

つまり、「借方」「貸方」は、ただ、数字を置いたものではなく、自分と相手の「ギブ&テイク」の関係なのです。

状況によって、「借方」が自分、「貸方」が相手であったり、その逆だったりします。

つまり、簿記は、取引先とのお付き合いを丸裸にするマジックなわけです。

 

実は、ここに気づく人は、ほぼいません。

経理のベテランになって、数多くの経理現場案件を抱えて、初めて知る境地でもあるのです。

「私、一方通行だと思っていました……」
衝撃の双方向システム、それが、簿記なのです。

自分と相手の恋愛関係に置き換えて、相手を知ろうとするために、四苦八苦する恋愛中の若者のように。

簿記はそんな状況を、わかりやすく整えて、次にどう相手にアプローチをかけようかと、エビデンスにしてくれる、素晴らしい仕組みなのです。

簿記マスターは読心術の達人

簿記マスターになると、現場に入るだけで状況を鼻で嗅ぎ分けられるようになります。

自慢じゃありませんが、レシートを指に吸い付けた瞬間、その買い物をした人のキャラクターまで想定することが多く、たいていそれほど乖離したことがありません。

ま、これは手を動かし続けて得た特技みたいなもので、誰もができなくても問題ないのでスルーしていただければいいのですが、

伝えたいことは、簿記を息を吸うようにできるようになると、周囲のいろんなことが読み取れるようになれるということなのです。

 

経営とは、自分が仕掛けて、答えを出すのが相手であるという土俵で闘っていきます。
これぞ、経営者の駆け引きです。

「相手は今、何を考えている?」「相手の資金繰りは安定している?」
このような情報は、通常、風の噂で知る社長が多いのですが、
実は、簿記が数字にして教えてくれていることに、気が付かない経営者が多いのです。

よく、現場でおかしい数字を見つけて社長に聞くと

「よく、わかったね。すごい……」と、びっくりされることがあります。

社長にしたら、読心術の達人に見透かされた感じでしょうか。

であれば、簿記・経理・会計のマスターは、会社やステークホルダーに対しての読心術に長けた達人ということにしておきましょう。

そして、この経営者が喉から手が出て欲しがる「透視能力」のために、簿記システムが生まれたのです。

逆に、相手から自分の会社がどう見られているのか。

これも、簿記から自社分析するのが、一番迷いがないのもご理解いただけるかと。

片手間経理で手に入れる「経営者の第六感」

とはいえ、経営の読心術を身につけるには、地道な努力を続けるのは野暮でもあります。

そこで、次のように、経理のタスクを分解することで、効率よく経営者に必要な第六感を手に入れることが可能になります。

  • 自動化によって、作業マシンから解放する魔法を手に入れる
  • また、自動化に耐えられる業務フローに変えることで、魔法の実現化を図る
  • とりあえず、5分眺めるだけで、経営者の第六感を手に入れる帳票を作る
  • 毎日の少しずつの経理業務が、気づいたら経営脳トレーニングになっている仕掛けにする

おおまかにこの4つでしょうか。

ただ、経理業務の自動化をゴールにしてしまうと、その先にある大事な「経営者の第六感」を、いつまでも手に入れることができなくなります。

重い腰をあげて「さて、経理をするか」から、
日々の生活や業務のなかで、「あれ、いつのまにか経理ができている」にすること

そして、ほんの5分の時間で、読心術を駆使した分析ができる帳票を、早期に作ること。

この2点こそ、本来の経理のあるべき姿になるのです。

 

 

経理を恋愛に例えてお話ししてきましたが、どうでしょう。少しは経理の魅力が伝わりましたか?

「まだよくわからない」という方、大丈夫です。それが普通です。

恋愛も十人十色なように、経理も人それぞれ。自分にあった経理のスタイルを見つけるには、まず自分をよく知ることから始まります。

経理とは–

  • メディテーション(自分と向き合う時間)
  • 自己分析(自社の状況を知る)
  • 他者分析(取引先との関係を読み解く)

この3つが同時に手に入る、不思議な業務なのです。

数字を簿記にする過程で、「自分が本当に必要なものは何か」「まだ気づいていない大切なものはないか」という答えが、必ず見えてきます。

恋(簿記)は、人(経営)を成長させる。

そのためには–

  • 行動する(自動化で手を動かす時間を作る)
  • 考える(早期の判断資料で第六感を磨く)

これを支えるのが、経理という仕事。

あなたも、会社への「恋心」を簿記で表現してみませんか?

きっと、今まで見えなかった会社の魅力や課題が、愛おしく感じられるはずです。

=編集後記=

【昨日の推し活】
Netflix「ダイナマイトキス」第7話、視聴。
推し活で聖地巡礼ツアーを企画。
桜開花時期に、「波うららかに、めおと日和」の千葉ロケ地を巡ります。

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この記事を書いた人

個人事業主・中小企業教務効率コンサルタント。Notionアンバサダー。「一緒に未来を見る伴走者」として小さな会社や個人事業主の方をフォロー|職種を超えて参加できるバックオフィス構築|オールインワンアプリ「Notion」を使った経理ノウハウなどのオンラインセミナーを開催|ほぼ毎日更新ブログ「経理戦略会議」管理人。メルマガ50代からのひとり仕事を毎日配信。

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