2025年2月6日、日本で最初のNotion×京都芸術大学の連携が発表されました。
このポイントは、既存の学校システムとの連携、教職員の業務効率化と学生の学習体験の向上といった三位一体(システム、先生、学生)です。
これにより、境目のない学校環境が生まれることが期待されます。
もうこれは、教育現場にNotionがトータル導入させる凄みを感じざるを得ません。
実は、このニュースを聞いて、私は5年前のできごとを思い出し、やっとこの時代がきたかとうっすら目に涙を溜めたのでした。
学校教育現場は昔から変わらないツールで運用されていた
珍しく朝早く起きた今日。何気なくXを覗いたらとんでもないポストが目に飛び込んできました。
何がすごいって、明治から続く歴史の山が動いたようなもので、戦後から基本的に変わらず運用してきた学校教育現場に、新しい価値観で総塗り替えするようなことなのです。
学校現場は、法律などのルールで塗り固められたタスクで運用されています。
学校教育法(昭和22年3月29日施行)、学校教育法施行規則といった法律があり、所轄官庁である文部科学省や各自治体の教育委員会の指揮の元、全国の学校は運営されています。
主に公立小中学校が適用されており、高等学校、大学もこの法律によって運営方法が細かく定められています。
ところが、先の新型コロナウィルスの流行により、以前から計画されていた学校現場へのICT関連が、一気に学校現場に導入されました。
このあたりの物語は、こちら「教育委員会が本気出したらスゴかった」に当時の教育現場の混乱具合が書かれています。
当時のICT導入は、
- とりあえず、児童生徒に一人一台端末を支給
- 端末を利用して、学校に来なくても教育の機会を与える
- ITリテラシーがない児童生徒に合わせた運用で平等性を担保する
この3つを最重要事項に掲げて、新型コロナウィルスの流行に備える緊急事態を乗り切ろうとしていました。
でも、実際の教育現場は、より大きな混乱が起きていたようです。
理由は簡単です。
端末だけ導入しても、根本がICTを活かした学校運営フローがなければ、先生の仕事が増えるのみです。そして、定着することがありません。
なぜ、経理のわたしが、学校教育現場のICT導入に詳しくなったのか。
実は、こんな事情があったのです。
不登校生徒を取り巻く学校と家庭の連携問題に悩んだ
実は、我が子は学校に通うことができなくなりました。
そんな我が子の登校自粛に伴い、担任、学年主任、校長先生を交えて今後の対応策を講じる打ち合わせをしたのです。
生徒と学校との連携は、Googleアカウントを持ち、授業課題のやりとりや、定期試験の実施を支給されたタブレットを使うことになりました。
同時に授業のオンラインとリアルの併用も行っていました。
コロナ以前ならあり得ないことです。
でも、困ったのが親と学校との連携でした。
定期試験を家庭で実施する際、保護者の監督が求められました。
でも、こちらは子どもの体調次第で、試験も受けられるかどうかわからない状況です。
家庭での様子、学校の課題提出状況、その他諸々、先生と家庭で連携することで、なんとか高校受験を乗り越えたいと思っておりました。
しかし、残念ながら、親のGoogleアカウントが連携できないと言われ、生徒、学校、家庭の三者による子どもへのサポート体制が取れなくなってしまったのです。
なんと、すべて、学校の先生と親がそれぞれにメールで文章を打ち、報告しあうわけで、
「ああ、ここのNotionがあったらなぁ」
と残念無念に陥ったのを思い出します。
それだけ、我が家は切羽詰まっており、Notionなら乗り越える可能性を見出しておりました。
実際に、たった一人の生徒のために、学校の負荷を増やすのは理にかなっていません。まして、パンデミックのときです。
もし、Notionが使えるなら、こんな悩みは一切合切なくすことができるのです。
実際に、我が子が属していた中学校では、このICT導入に反対する先生も多くいたそうです。
学校内でも教育のデジタル化がなかなか進まない現実も抱えておりました。
当時私が学校にプレゼンしたNotion活用方法
そこで私は、Notionを使ってみませんかと学校側に提案しました。
あくまで、これは我が家の場合であって、一般的運用方法ではないことをご了承ください。
当時のプレゼン資料がNotionに保存されていなかったため、詳細は思い出しながら再現してみます。
なぜNotionが学校運営に適しているのか、当時のわたしは次のように考えました。
- 見やすいUIで、デジタルに慣れない人でも挑戦しやすい。
- みんなで共有することで、パンデミックによって離れ離れになっている学校現場がネット上で一体感を得られる。
- クリックひとつで自動化ツールに変わるので、生徒やICT担当の先生のプログラミング思考を育てることができる。
- 学校に通えない家庭は、スマホのアプリを開くことで、孤独感を埋めることができる。
これらすべて、情報の所在が錯綜しにくいNotionだからこそ、シームレスに繋がれる利点でもあります。
以下、あくまで、不登校の生徒のケースですが、情報共有を重点にしたNotion運用を考えてみました。
一人の生徒のページに担任、学校管理職が共有
担任の先生とはいえ、業務を休むときもあります。まして、新型コロナが流行しているわけですから、当時は感染したら2週間休まなければなりませんでした。
そこで、Notionであれば、学校に行かなくても自宅から生徒の情報を確認することができます。
また、入院など症状がひどいときは、学校管理職(学年主任や教務主任、教頭校長)が代わりに生徒のケアができます。
まずは、学校教育現場での先生同士の連携することで、業務の負荷を分散させます。
そんな生徒のページの利用方法
生徒と先生の交換日記
生徒は学校に通えないと、家にこもりきりです。連絡帳をNotionで運用すれば、生徒へのインフォメーションや生徒からのコメントを返すことができます。
イメージはこちら。
先生からの連絡は、同期ブロックによって表示させます。
そして、これが、ページの詳細です。
データベースのテンプレートを作っておきます。
そして、以下が先生だけのページです。
日々この連絡事項は書き換えることで、簡単に生徒のページに同期かけることができます。
これは、同期ブロックを使った、一番簡単な方法で運用する生徒日報(連絡帳)です。
生活日報のコメントに、生徒と先生のやり取りを記録します。
そして、ページの下は、各学校で自由にフォーマットを作ることができます。
課題のデータを添付やメンションをかけてもOK。
Notionは、自由に各学校の環境に合わせて作ります。
保護者との連携ページ
保護者には、基本なんでもオープンにしてほしいものです。
ただし、思春期を迎える生徒にとっては、親に知られたくない情報があったりします。
以前は、学校側が言葉を選んで、保護者に伝えていました。
でも、不登校の場合、生徒は家庭でほとんど過ごすので、学校が把握できない子どもの情報を家庭が把握するようになります。
ある意味、学校と家庭の情報量バランスが逆転するのです。
その中で、学校が憶測で生徒指導するようになり、ますます生徒が学校に通いづらくなるケースがでるようになりました。
ここは、学校と家庭の情報共有はオープンにすることで、互いに補完し合うことができます。
これが、みんなが孤立しない環境を育てることになるのです。
担任と副担任と学校管理職の情報共有
とはいえ、生徒にも家庭にも伝えることができない事案が生じるのが学校現場です。
この場合、学校内で共有するページを作ります。
生徒や家庭が入る権限がないため、外に漏れることはありません。
また、学校の専用ページと生徒の生活日報をリレーションすることで、どの生徒の記録が問題になっているのか、すぐにたどることができます。
不登校生徒へのケアは、文部科学省においても通達が出されています。
「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日
元文科初第698号
そして、各自治体教育委員会では、長期欠席・不登校対策スタンダードをつくり、各学校現場での対応を細かくマニュアル化しています。
このマニュアルを、Notionで展開することができれば、学校内での情報共有は確実のものになります。
そして、万が一緊急事態が起こったとしても、校長先生が出張でいなくても、即チームで取り組むことができるはずです。
Notion導入はなく、当初の決定事項によりGoogleが導入された
以上のような提言を、数ヶ月にわたり学校側と協議していきましたが、
結局は、教育委員会の決定により、Googleが導入されました。
よって、当時のわたしのNotionを学校に導入する夢は消えました。
そして、消化不良を抱えたまま、学校を卒業していきました。
Googleのよさは、しっかりあります。
ただ、会社組織より複雑な学校現場においては、使いこなすのは難しいように思うのです。
今回は、小中学校ではなく、大学の現場にNotionのトータル導入サポートがなされます。
でも、同じ学校教育法で縛られている教育現場です。
今回の取組が成果を残すことで、その他の学校(高専、専門、高等、小中)にも広がっていく未来に大いに期待しています。
=編集後記=
【昨日のできごと】
昨日も東京へ。世界中のNotionコミュニティをフォローされているフランシスコと懇談しました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
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