「私、失敗しないので」
かのテレビドラマで有名なフリーランスの外科医の話。ドクターX。
この経理バージョンがあるとしたら、やってみたくなりませんか。
え?怖い?
その怖さを強さに変えるものがあるとしたら、自分にもできることなのか。
一つ一つ紐解いてみます。
ひとりビジネスとしてのフリーランス経理になるには
私は、フリーランスの経理マンXです。
と、名乗ってみたいですが、さすがに名刺や公式サイトに表記するには勇気がいります。
でも、実際には、似たような仕事の仕方をしています。
- 委託業務として、数か所の会計事務所からの業務を請け負う
- 日々の発信で、新しい経理のあり方を伝える
- Notionを使った経理のDX化の可能性を追求している
- 専門である公益法人会計と法務に特化した業務を請け負う
- 地元地域で、経理・デジタルリテラシーアップを図る
- 50代からのひとりビジネスの可能性を発信
こんな感じです。
組織に属さず、ひとりで仕事をしています。
フリーランスの経理マンとしては、雑多な感じになっていますが、
現実的に、お医者様と違い、経理は単価の安い仕事なので、
ある意味、やってみたい分野の仕事を多岐にわたって展開するのは、できちゃたりします。
いずれにせよ、フリーランスとして働くには、「この仕事、やっていて楽しい」がないと、難しいと思います。
好きでやりたくって、そこにこだわって道を進んだら、結果的にフリーランスなっていたのです。
基本、経理業務は、組織が抱えてきた業務です。
システム入れるにしても、大きな予算がかかります。
そのシステムを組織全体に浸透させるにも、人海戦術が必要でした。
会計ソフトを入れ替わるだけでも、昔は1から仕訳を入力し直していました。
(これは、実話です。私が担当していました)
でも、今は、ひとりで仕事していても、何ら問題がないのです。
ガジェットの性能がアップ、ネットで発信するのに、素人でも展開することが可能。
ホームページについては、コードが書けなくても、サイトを開くこともできます。
極めつけはAI。
すでに、私のボヤキを図にしてくれるAI「Napkin AI」が登場し、
私が考えるフリーランスとしての経理に必要なものを、まとめてくれたりするのです。
下手したら、今後は記帳代行業はAIがクリアしてくれるようになるでしょう。
そうなったら、システム構築力を駆使し、AIが出した答えに判定を出していく仕事が、今後求められるようになるはずです。
そうなると、ますます、組織力で対応してきた時代から、ひとりで対応できる時代に移行しつつあります。
まさに、2024年は、ひとりフリーランス経理マンの幕開けの年なのかもしれません。
フリーランス経理に必要な「金」「人」「知識」
とはいえ、現実にフリーランス経理マンXになるには、組織に縛られないで生きていくだけの強さと知恵を併せ持ちたいものです。
さきほどの図をもう一度、見てみます。
こちらをもとに、項目ごとチェックしてみます。
簿記
ドクターXの基本が、外科専門医だとしたら、経理マンXの基本は、簿記になります。
上場会社や連結決算など、規模の大きい組織の場合、簿記1級を持っていた方が、うつぶしがききますが、
最低は簿記2級を持っていたら、十分です。
まずは、簿記2級。これが、流浪の経理マンの懐刀です。
税務
次に、必要なのは税務です。
必要な順に、
- 消費税
- 所得税・源泉所得税
- 法人税
です。
それぞれの確定申告書を手書きで書けるようになるまで、勉強しておくのが理想です。
私は、いろんな税法の入門書、会計専門学校のテキストなど、見てきましたが、
結局これが一番確実に勉強ができました。
高いし、大きい版で、この手の書籍は、会計事務所が経費で蔵書するレベルのものですが、下手にあれこれ購入することを考えたら、これが一番てっとり早く確実に調べ物ができます。
このシリーズで、「法人税」「所得税」があれば、もう完璧です。
ちなみに、源泉所得税は、税務署が出している冊子(PDF版もあり)が、無料なのでオススメです。
会計・内部統制
さすらいのフリーランス経理の場合、会計・内部統制を意味するのは、監査のセンスを鍛えることです。
実は、この監査の視点は、システム構築の考え方に非常に似ています。
取引がどのように組織の中で、情報が行き来しているのかを見極め、異常値が出るところに、メスを入れる様は、まるでシステムのバグを見つける作業に似ています。
また、バグが出にくい環境を作るのも、考え方が似ています。
余計な工数を経ることで、間違いのリスクが上がります。
まさに、余計な業務フローがあるために、不正経理事故が引き起こしやすくなるのと、同じです。
難しい監査論の書籍を読むのもいいですが、まずは、先にシステム構築の経験を積むことが、近道なのです。
それでも、書籍で監査の基礎を勉強するとなれば、こちらをオススメします。
あと、会計には管理会計が含まれます。
管理会計を勉強したければ、直接Excelで残高試算表を加工することをオススメします。
経済産業省の「ローカルベンチマーク」を利用して、会社の業績を分析することも勉強になります。
また、簿記検定や米国公認管理会計士資格を勉強する方法もあります。
自分のいる環境に合った方法で、自分のペースで知識と技術の習得を進めていきます。
経理・記帳代行
一般的に経理事務に当たるものです。
経験を積むなら、経理事務として就職する方法が、一番てっとり早いです。
実務経験こそ、即戦力が養われます。
正直、税務・会計・内部統制は、すでに固まった数字を加工する仕事です。
しかし、生きて流れていくお金を扱う経理事務は、ある程度経理筋肉を鍛えるのが一番です。
とはいえ、経理事務経験がなくても、悲観する必要はありません。
自分自身の経理と確定申告を、徹底して腰据えて行えば、それに変わる経験を積むことができます。
システム構築設計力と業務改革推進力
これは、仕事で請けるのが一番経験を積むことができます。
でも、その前に、自分自身の仕事環境で、システム構築のイメージを掴むことができます。
私は、Notionを勧めています。
まずは、無料でできる、知識なくても自分のやりたいように組み立てができる、失敗しても、やり直しができる、などなど、
システム構築をしたことがない人でも、無料で使えるデフォルトの機能のみで、思い通りの仕組みを作ることができます。
Notionでテストしてから、本格的に資金を投入して、システム導入することもできます。
まずは、手を動かして、身体で覚える。
これが、知識習得の一番の近道なのです。
プロダクトマネジメントとなると、高度なIT専門知識が伴わないと難しいです。
小さな会社の場合、専門的なIT知識を勉強せずとも、今までのIT知識があれば、業務改革推進に必要なリーダーシップを身につけることができます。
実は、私は、この技術を勉強することがありませんでした。
実務経験のみです。
机上の空論で、書籍通りに行くとは限りません。
もし、改めて予備知識として準備するものがあるとしたら、
それは、人のタイプを見極める経験値を積むことでしょうか。
人は、環境の変化に弱いとされています。
変化することに、積極的になる場合と、そうではない場合を、見極めることで、業務改革の成功が成し得るといっても過言ではありません。
とはいえ、基本的なExcel関数(VLOOK,IFなど)、マクロの知識はあることが前提です。
番外編 営業力
経験積むには、まずは仕事があることです。
そのために、営業力は養っておきたいものです。
でも、集客をして、多くのリストを作るには、手間がかかり、仕事に投下する時間が足りなくなるリスクがあります。
また、自分に合わない人と出会う確率もあがります。
ピンポイントで、大切なお客様と出会い続けるように、発信力を身につけることで、自分自身の看板も育っていきます。
この営業力、強いて言えば、文章力とも言えるでしょう。
あと、話す力も大切です。
読み、書き、話す。
この3つは、日々発信することで、鍛えられます。
働き方にも色々。自分の得意分野を極める。
たくさんのスキルについて、まとめてみましたが、結構なボリュームになってしまいました。
これらをすべて、身に付けないと、フリーランス経理マンになれないのだろうかと、不安になってしまったかもしれません。
でも、安心してください。
これらのすべての条件は、すでに、みなさんは持っていらっしゃいます。
あとは、スムーズに引き出せるかどうか、それだけです。
もし、フリーランスの経理マンになりたいと思ったら、
まずは、営業力を鍛えてまいります。
それから、かつて持っていた技術や知識のブラッシュアップで、仕事につなげてまいりましょう。
「私、間違わないので」
経理マンXとして名乗れる日がくるよう、日々精進のための時間を産み出すことから、始めてみましょう。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
=おすすめのサービス=
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