有能な女性は、ちゃんと社会で活躍できているのでしょうか。
必要以上に謙遜する女性の呪縛を解き放つことはできるのでしょうか。
娘の習い事で、この夏発表会が実施されます。
厳重な対策をしつつ、子どもたちは先生の指導の元、朗らかにレッスンを重ねています。
よく巷で、習い事をさせている親は大変と言われていますが、ご多分に漏れず、我が教室も父母の会という組織モドキがあり、発表会の手伝いを行います。
めんどくさい女性の集まり
この「組織モドキ」がきな臭いわけです。PTAと同様に、きちんとした指示系統がないのです。これはお教室によって、違ってくるのですが、大抵の芸術系の先生は組織を束ねるという概念が一般人と異なるので、そこがネックになっています。
我が教室は、発表会が始まる前にうごきだします。先生から頼まれた経験年数の多い子供の母たちが中心になって動きます。
今回は、4名の母が動くことになりました。そのうちの1名が私です。
「楽屋」舞台衣装をつけてのリハーサルから本番当日の楽屋運営担当
「会場」入場者管理、客席運営、差し入れの管理
「受付」主に来賓担当
先日、先生から各担当の責任者を分担されました。私は、「会場」を仰せつかったのですが、「受付」を頼まれた一人が、先生に断りをいれたのです。
「私は、受付をやったことがありません。楽屋ならやったことあるので、楽屋にしてもらえませんか」
そこで、先生が再度メンバーを考え直すことになり、父母の会の稼働が遅れるはめになったのです。
正直、やったことないといっても、マニュアルがしっかりあります。そして、若いクラスのメンバーで経験者が数名いるわけですから、責任者になったとしても、うまく行くことは明白なのです。
まして、今回はコロナ下で実施されます。クラスターになったら、大変なことになります。お教室の評判にも影響するでしょう。先生も例年であればすべて父母の会に任せていたのに、わざわざメンバーを考えてきたのです。
正直、私には断る理由にまったくもって、理解できませんでした。
失敗を恐れているのか、それともマウントが取れないからか
私は、前回の「会場」と「受付」のマニュアルを再読しました。
今回は、新型コロナ対策も講じる必要があり、若いクラスのママだけでは、過剰に反応し、動きに混乱をきたす可能性があることが見えてきました。
一旦断った彼女なら、冷静に対処してママたちを束ねることができます。今回は失敗が許されないため、先生もそこを見込んで彼女に頼んだのです。
しかし、彼女は断りました。理由は「経験のない私が入ったら、かえってみなさんのお荷物になるし、すでに経験のある方々もいらっしゃるから。」でした。
先生の目から見ても、私から見ても、女性ながら冷静にかつ、穏やかに動ける力があるのに、非常にもったいないです。残念でなりません。
実はわからないことで失敗して他のママから責められるのを避けたかったのか、若いママからあれこれ指示されるのを嫌ったのか、そこまで謙遜する真相はわかりません。
女性管理職が増えないことによる損失
企業の中でも、女性管理職がなかなか増えないことも問題視されています。
昇進の打診をしても、体よく断られることが多いのです。
能力あるのに、その力を発揮しようとしないのはなぜ。
おそらく、女性は家庭もあるから引き受けないのだろうかと思いがちですが、もしかしたら、その人の深層にあるエゴに原因があるかもしれません。
また、人の上に立つ経験がなく、自分自身の可能性に気づいていないこともあります。
社会で活躍することで、いらぬノイズを受けるはめになるなら、やらないと判断する人が多いのかもしれません。
しかし、能力の高い女性が社会に還元してくれてたら、会社を始めとした日本経済も変わってくると思えるのです。
企業の再生を目指すばかりに気をとられていると、女性が抱える問題に気づかずに素通りしてしまっているのかもしれません。
一人でも有能な方が正当に評価されて、社会での活躍を繰り広げられたら、日本の未来も明るくなるのに、と思った一日でした。